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g.ターミナル駅で、車イス使用者が移動できる範囲を案内している例はみられない。
3)車イス使用者の情報ニーズヘの設備的な対応は、ほとんど考慮されていない現況といえよう。

 

4-3 対応の方向性についての考察
1. 設備的な対応における留意点
1)自立的に行動する車イス使用者は、当面晴眼者であると想定し、
a.ビジュアル・サイン
b.電子式表示装置の
2種の案内様式で、視覚案内システムを構築する必要がある。
2)視覚案内による対応は、昇降設備の設置状況によって、次の2つに分けて考える必要がある。
a.昇降設備が設置されていることで、それを利用すれば車イスで構内全域を移動できる場合。
b.昇降設備のない階段があることで、車イスで自立的に行けない箇所がある場合。
3)まず車イスで構内全域を移動できる場合、視覚案内の必要度が高い情報内容は以下のように整理できる。
入場系動線では、次の情報が必要である。
a.駅出入口=昇降設備位置までの経路を案内する情報[案内情報]
b.駅出入口=昇降設備を経由して各鉄道改札口までの経路を案内する情報[案内情報]
c.駅出入口から昇降設備までの間=昇降設備の方向を指示する情報[誘導情報]
d.昇降設備の所在場所=その位置を告知する情報[位置情報]
e.昇降設備の所在場所=それがエレベーターの場合、そのエレベーターがどの「鉄道改札口」へ行けるかという行先を案内する情報[案内情報]
f昇降設備を降りた位置=各鉄道改札口までの移動経路を案内する情報[案内情報]
g.昇降設備から利用者一般の入場系動線までの間=各鉄道改札口方向を指示する情報[誘導情報]
h.以降は、利用者一般を対象としたビジュアル・サインで鉄道改札口まで誘導することが可能になる。
4)出場系動線では、次の情報が必要である。
a.改札口を出た箇所=駅出入口に行ける昇降設備位置までの経路を案内する情報[案内情報]
b.改札口を出た箇所=昇降設備を経由して各駅出入口までの経路を案内する情報[案内情報]
c.改札口から昇降設備の間=昇降設備の方向を指示する情報[誘導情報]
d.昇降設備の所在場所=その位置を告知する情報[位置情報]

 

 

 

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